2009/10/15

ビルマ民族と非ビルマ民族(2)

さて、さきのビルマ民族活動家の反応は、多くのビルマ民族が陥りがちなものである。そして、これはあくまでもぼくの目から見ての話だが、その反応には特に悪意はないのである。つまり、その活動家は単に非ビルマ民族の状況に無知なだけで、非ビルマ民族の発言の背景を理解していないだけなのである。

この無知ほど恐ろしいものはないが、それはさておいて、こうしたビルマ人の態度が非ビルマ民族にどうした反応を引き起こすかについて記そう。

件の発言を聞いた非ビルマ民族は、このビルマ活動家が自分たちのことを理解していないと考えることはまずない。その代わり、ビルマ民族はわかっているのにわかっていない振りをしているのだ、と考える。つまり、ビルマ人の態度に欺瞞と悪意を見て取るのだ。

こうして、非ビルマ民族側がかねてから抱いている「ビルマ民族はたとえ民主化活動家であっても信用できず、いつも自分たちを騙して支配しようとしている」という先入観はさらに強化され、両者の懸隔はさらに広がることとなる。

その辺の事情を理解している非ビルマ民族活動家はもちろんいるにはいるが、やはり非常に少ない。