2009/10/14

もらっときなさい!

2人のカレン人がある難民支援NGOに行った。

2人のうちひとりは、このブログでもお馴染みのKNUの日本代表モウニーさん。面倒見の良い彼は、困っている人を見ると放っておけない。現在難民申請中で、非常に困った事態に陥っている同胞を連れて、難民を助けてくれるNGOに相談にやってきたのだった。

そのNGOの職員は、モウニーさんが連れてきたカレン人に質問をし、状況の緊急性を見抜き、ただちに支援金を渡すべきだと判断した。

ところが、そのカレン人は日本に来たばかり。自分がどうしてこんなところに連れてこられたのかもわからないし、どうして見も知らない日本人が自分にお金をくれるのかもわからない。

「ひょっとしたら怪しいお金では?」と尻込みする始末。ビルマでは、見知らぬ人から親切にされたら警戒しなくてはならないのだ。

だが、支援金がなければ状況はさらに悪くなることを知っているモウニーさん、その人にこんなふうに言って受け取ることを勧めた。

「戦争のとき、日本人はわたしたちカレン人をさんざん苦しめたのに、戦後、ビルマ人だけに賠償金を払って、カレン人には一銭もくれなかった。だから、ここで日本人からお金をもらったって誰ひとり文句は言わないよ! さあ、もらっときなさい!」