2010/03/01

新しい公共から新しい市民、そして新しいビルマへ(1)

鳩山由起夫首相が演説で語る「新しい公共」とは、「官による公共」との対比において語られる概念のようであり、それ自体は面白いと思う。この「新しい公共」作りに市民の立場からどんどん関わっていこうじゃないか、という意図で「新しい公共を作る市民キャビネット」が1月29日に正式に設立された。

この「市民キャビネット」とは「社会をリードしていくNPO/NGO等の市民団体、生協や労働組合等の非営利組織、社会的企業などが結集し」てできた団体で、政策提言を行ったり、官に代わって公共サービスを担ったりすることを目的としているのだそうだ(詳しくはhttp://www.npo- support.jp/event/20100129-ccf.phpをご覧いただきたい)。

さて、たまたま縁があって、この「市民キャビネット」の「国際協力・交流部会」の準備会議に参加することになった。お誘いがあったのはぼくが副会長を務める「在日ビルマ難民たすけあいの会(BRSA)」のほうだったが、こちらのほうは名前を出すのに会議を経ないといけないので、ぼくが代表のひとりである別団体「Burma Concerrn」の名前でまずはこの「部会」の発起人に登録させてもらうことにした。

準備会当時、「国際協力・交流部会」に加わっていたほとんどの団体は、ボランティア・ワークなどの海外プログラムを実施している。その点からいうと、ビルマ難民の暮らす日本を主なフィールドとする団体は、少々お門違いな感じだ。しかし、国内であろうと国外であろうと「外国人」を相手としている点には変わりはない。

もうひとつ、ほかと異なる点がある。海外でプログラムを行う団体はたいていの場合、そのボランティア活動の対象となる「外国人」をその会員とはしない、つまり会員は基本的に「日本人」であるものだ。しかし、BRSAとBurma Concernは違う。これらのグループでは日本人とビルマ難民が同じ資格で活動しており、日本の団体とも、ビルマの団体ともいえないのである。