2010/04/09

策略の書

ルネ・カーワンがアラビア語原典から翻訳したという『策略の書』(小林茂訳、読売新聞社)に、アッバース朝2代目のカリフ、アル・マンスールの次のような逸話が載っている。

アル・マンスールはクーファ(イラクの町)の男ひとりずつに銀貨5枚を分配するように命じた。これにより、この町にいる男の正確な数を知った彼は、次のように命じたのだという。「さて、今度は男ひとりずつから租税として銀貨40枚を取れ」と。

「子ども手当」について考えているうちにこんな逸話を思い出した。

もちろん、この子ども手当の後に、政府がこのアル・マンスールと同じことをするとは思わないが、せっかく広い範囲でこの政策を実施するのだから、日本に今どれくらいの外国籍の子どもがいて、どんな状況にあるか、というような統計ぐらいはとったほうがいいのではないか。

これらの子どもたち(ビルマ難民の子どもたちももちろん含まれる)もまた、これからの日本を担っていく人々なのだから。