2010/05/20

不正投票

ビルマの団体の選挙では、たいてい他所の団体から3人ほど人が来て、選挙委員として、公平な選挙を行うべく、その場を仕切ることになる。

この選挙委員はぼくもやったこともあるが、開票や集計もやるので結構いそがしい。

この間、BRSAの選挙があった。選挙の最中、票を数えていた選挙委員が、不正投票らしきものを発見した、といって会場の注意を喚起した。

その委員が鋭くも見抜いたところによれば、全く同じペン、同じ筆跡で、同一候補者の名前が記された二枚の投票用紙が出てきたのだという。

「何者かが二重投票をした疑いあり」と、厳しい目つきで会場を見回す委員たち。今年はビルマで軍事政権の選挙が行われる。その意味でも、民主化活動家たる我々はささいな不正も許してはならぬのだ・・・。

すると、ひとりの女性が手を挙げていった。

「それは、わたしたちのです。夫が赤ちゃんを抱いているので、代筆したのです」