2010/05/31

地域通貨(2)

というのも、日本では地域通貨は人の生活のすべての必要に応えるほど、発達してはいないからだ。

おいしい野菜や、卵ぐらいなら何とかなりそうだが、それだけでは生きてはいけない。
しかし、地域通貨は別名、補完通貨、並行通貨ともいわれるように、必ずしも福沢諭吉や、夏目漱石を排斥するものではない。

つまり、地域通貨でまかなえるものをまかなうだけでも、現金はだいぶ浮くのである。もちろん、地域通貨は、難民申請者自身が、あちこちでボランティアをして手に入れる(したがって、これは決して就労ではない)。

そこで、例えば次のようなプロジェクトを作ればいい。

1)地域通貨制度を実践している場所周辺に家を借りる。

2)その家は、難民認定申請者(ビルマ人に限らない)が例えば10人ほど暮らせる広さ。

3)家賃、光熱費、水道代はお金で支払う。

4)それ以外の食費などは、難民申請者が地域通貨を稼いでまかなう。

最大の問題は、現金で支払わなければならない分をどう確保するか、ということ。しかし、家賃に関しては、地方の方では空き家が多いというから、案外、安く上がるかもしれない。

プロジェクト自体は面白いし、単に生活を支えるということ以上の効果も期待できる。つまり、難民認定申請者にとって、日本での生活を学ぶ場や、自分の能力を磨く場ともなりうるのである。

しかし、こうした手間をかけるよりも、繰り返すようだが、難民認定申請者の就労不許可という縛りをなくす方がはるかに簡単なのである。