2010/08/06

アラカン民主連盟(亡命)第5回総会(2)

ALD-Japanの顧問を務めさせていただいている関係で壇上に呼ばれ、あらまし以下のようなスピーチをさせていただいた。

「あるアラカンの人が教えてくれたのですが、アラカン州で話されているアラカン語は、ひとつではなく、いくつもの種類(方言)があるとのこ とです。日本でもさまざまな方言がありますが、若い世代の間では古い言葉はどんどん失われています。そのため、地元の人や研究者が方言を記録に残そうと一 生懸命活動をしています。

日本語の方言ですら、きちんと記録しなければ失われてしまうかもしれないのに、ビルマ民族以外の民族の自由、ビルマ語以外の言語研究・教育の自由が認められていないビルマで、多くの方言、言語が消失の危機にあるというのは当然のことです。

また、日本に暮らす多くの難民、特に子どもを持つ難民の悩みは、子どもたちが自分たちの民族の言語を習得することができずに、日本語話者となってしまうということです。

アラカン民主連盟のみなさんは、アラカン民族の権利、文化、言語を守るため、ビルマ軍事政権と闘い、その結果、日本に難民として逃げてこなくてはならな かったのですが、そのように民族のために闘った結果、日本で民族としてのアイデンティティの喪失に直面しているという皮肉な事態が生じているのです。

ビルマ国内と、日本国内の二つの状況が指し示すのは、アラカンの文化、言語を全面的に守り維持するために、アラカン民主連盟として積極的に行動を起こさなければならないということです。

とくに、日本社会は他の文化、言語に対して決して理解があるといえませんから、日本に定住するアラカン民族として、自分たちはどのような生 活を望んでいるのか、自分たちの子孫がどのようになっていってほしいのか、しっかり日本社会に対してアピールする必要があると思います。

ぼくとしてもそのためのお手伝いを今後一緒にできればと考えております。」