2010/11/14

虫けらどもをひねりつぶせ(2)

この本は、読んだことのある方ならご存じのように、ウラ本中のウラ本とでもいうべき本で、電車の中で広げるのは気が引けるほど。見た目とは裏腹に意外に誠実な書きぶり、しかし念が入りすぎているのであまり頭に入らず、読み飛ばしていたわけですが、それでも品川駅で降りたときには、日陰の中の日陰からムリヤリ日なたに引っ張り出された気分で、目がしょぼつくほどでした。

その気分を引きずって、ビルマ大使館前まで歩いて行ったわけです。

デモは10時から始まっていて、ぼくはといえばとにかく顔を出すのが目的だったので、そんなに急いでいく必要もない。だから着いたのは1時半頃です。大使館前ではたくさんの活動家たちが一列に並んで、それぞれの団体の旗や、スーチーさんの顔写真、あるいはスローガンを記したプラカードを掲げていました。この日のデモにいったい何人が参加したのかははっきりいって分かりません。800人という人もいます。途中から来たり、途中で帰る人も多いので実数の把握は難しいでしょう。いずれにせよ、普段よりもはるかに多いということは確かです。

また、警察官や公安らしき人々の数も多いように感じられます。ビデオカメラやカメラ、マイクを持った報道関係者の数は間違いなく多い。メディアの注目も高いということです。

歩道にびっしりと並んだデモ参加者は、一方通行の車道を挟んで大使館の正門と壁に対峙しています。関係のない通行人は歩道を歩くことができないので、車道の端に並べられたパイロンとデモの列の間を通ることになります。車ももちろん通行しますが、車道はデモのリーダーたち、記録担当者、報道関係者などが動き回っているので、その度に警察が注意します。

大使館の壁側にもやはりパイロンが並べられていて、壁との間をカメラやビデオを持った人々が行き来しています。

正門横の壁のあたりは、いつものことですが、デモに参加した団体の代表がスピーチをする場所、いわば「演説台」で、ぼくが到着した頃にも数名のビルマの人が立っていました。