2010/11/22

虫けらどもをひねりつぶせ(10)

もっとも、われわれとて笑ってはいられません。日本にだってありますからね。和風の「虫けらどもをひねりつぶせ」が。ネットの書き込みをたっぷり収録した大幅増補版、しかも一切の校正なしのヤツです。それに、中国だってこの分野にかけては一流です。なにしろ紙を発明したお土地柄ですから、大陸級のとてつもない分厚い一冊が無料で配布されています。もちろん、世界初の金属活字を誇る韓国だって黙っていません(北朝鮮のにはノドンの付録付きだとか)。これでわれわれは互いにバンバン頭を殴り合うわけです。バチン! みんなとことんやる覚悟のようです。バスン! 頭蓋骨をぺしゃんこに潰すまで、と息巻いています。バシャ! 飛び散った脳みそは海に流出し、海域の絶妙な位置で寄り集まって島となり、きっと新たな領土問題を起こすことでしょう・・・・・・。

ぼくの話もそれでおしまいです。支離滅裂で、またほとんど聞いている人がいなかったにせよ、ともかく副会長としての責任は果たしました。演説を終えるやいなや、ぼくは列の後ろに逃げて隠れました。人々の頭越しに例の「演説台」をみると、BRSAのモーチョーソー事務局長が演説をしていました。

デモは4時に終わる予定です。人々の背後をぶらぶらし、友人たちと話しているうちに3時半になりました。ちょうど2時間いたことになります。ぼくはゆっくりと後じさりしながらデモの列から離れ、絶妙な距離にまで達すると、素早く背を向けて一気に遁走しました。

デモの翌日、月曜日、ある人がぼくが演説している様子をネットで見たと言いました。ビデオ撮影者がたくさんいたので、それも当然ありうることでしょう。ですが、自分から探して見ようなんて気はてんで起こりません。(おわり)