2011/04/04

リテラシー(1)

原発の状況に関して政府は本当の情報を隠している、と疑う人がいる。政府のいうことはすべて嘘だ、と考える人もいる。

そうした人々の言葉を読んでいてつくづく思うのは、すべて虚偽だとして否定する態度も、まるっきり鵜呑みにする態度も、自分の頭で考えることを拒否している点では同じだ、ということだ。

本当のところは、政府やメディアの情報には正しいもの、間違っているもの、意図せぬ嘘、意図した嘘が混じっているのであり、それを見極めるために受け手は、さまざまな情報を集め、それらについて勘考した上で、自分なりに納得できる結論を引き出さなければならない。

ま、これは当たり前のこと。

しかし、ビルマの人はこれが非常に苦手だ。情報隠蔽をつねとする政府、言論の自由を欠いた不健全なメディア状況に育ったのだから、当然といえば当然だが、これらの人々の疑り深さ、そしてそれと表裏一体をなす騙されやすさにはいつも驚かされるし、また振り回される。