2011/04/22

フライ人(1)

フライ人(flyjin)とは、震災後、在日外国人の間で流通している言葉で、日本から飛ぶように逃げてしまった外国人を揶揄して指す。「外人(gaijin)」からの造語だ。

東京から逃げ出す日本人もいることを考えれば、不当な揶揄ともいえるが、それはさておくとしても、震災の翌週、3月16日水曜日に入管に仮放免手続きのために行ったとき、見ましたよ、すごい騒ぎを。

その日は計画停電やらなんやらで電車が止まると困るので、できるだけ早く行って、手続きを済ましちまおうってことで、6時半には家を出た。仮放免手続きは普通午後1時から始まるのだが、入管の人が前日に電話でいうには、交通のこともあるので午前からでも大丈夫だと。にしても、張り切りすぎた。早く着いちゃった。午前8時前だ。だが、もうそのときにはできてた、すごい列が、日本から逃げだそうっていう「フライ人」たちの行列が。

品川駅から入管まではバスが短い間隔で運行しているのだが、そのバスが着くたびに、外国人がどっと降りる。まるで寄せ来る波のよう。しまいには列は入管の周囲を取り巻いて、折れ曲がり、

八雲立つ出雲八重垣妻ごみに八重垣作るその八重垣を

てな塩梅。