2011/04/21

10万

震災のあと、入国管理局の職員がビルマの難民認定申請者にこんな風に聞いたのだそうだ。

「ビルマに帰らないの? 地震が怖くないの?」

これは、もちろん震災以後、難民認定申請を取りやめて帰国するビルマ人が出ていることにも関係している。入管としてはこうした地道な声かけ運動で一人でも多く帰国してくれれば、と願っているのだ(「いやがらせ」と呼ぶ人もいるが)。

とはいえ、残念なことに地震や原発事故にもかかわらず、難民認定申請を続ける人々はたくさんいる。

ある人にいわせれば「ビルマの公害のほうがもっと恐ろしい」とのこと。つまりカチン州で金の採集のために垂れ流されている水銀についていっているのである。

もっとも、こんなことを考える人はわずかで、難民認定申請者が帰国しないのは、単にビルマでは自分が政府に殺されると考えているからだ。

要するに、今回の津波や地震や原発事故は確かに類をみない災害・災難ではあるが、それでも悪政や戦争に比べたらどうってこたないのである。

ちなみに震災の前日、3月10日は東京大空襲があった日でこの日だけで10万人が亡くなったという。