2011/06/14

入管に「帰れ」と言われたら(1)

「入管に『帰れ』 と言われたら」は在日ビルマ難民たすけあいの会(BRSA)の機関誌「セタナー」第3号(2011年5月29日発行)に書いたもの。MYO SHI TU OHNさんによってビルマ語に翻訳され同号に掲載。

震災以後、難民認定申請を取りやめてビルマに帰国する人々がいます。そのため、難民認定申請を続けるビルマ難民たちが入国管理局に「もう帰った人がいるよ。 あなた もビルマに帰らないの?」と言われたという話をたびたび聞くようになりました。そればかりでなく、入管のこうした態度に不安を覚える人もいるようです。わたしがそうした人々にまず言いたいのは、「不安になる必要はありません」ということです。そしてこれに次のようにも付け加えたい。「不安になっている暇があったら、難民認定申請の準備をしっかりしてください!」と。

不安になる必要はない、というのは、入管がそのように言ったからといっても、あなたが強制送還される可能性はまずないからです。入管が「帰りなさい」とか「帰らないの?」 とかいうのは、これは挨拶みたいなものです。ビルマ語の 「ご飯食べた?」とか日本語の「元気?」とか同じようなものなので、気にしなくてもよろしい。

わたしたちは天気によって挨拶を変えます。寒いときには 「寒いですね!」、夏には「暑いですね~」というように。 それと同じで、入管も状況によって挨拶を変えると考えればよろしい。スーチーさんが釈放されれば「スーチーさんも釈放されたよ、帰ってもいいんじゃない?」、地震が起きれば「地震怖くないの?  帰ったら?」となるのです。

このように言うのは入管のある部門の仕事なので、その職員はきちんと自分の仕事をしているに過ぎないのです。不安な気持ちの難民にとっては不愉快かもしれませんが、ここは寛大な気持ちで許してあげてください。