2011/06/08

Mete-ontology

入管に収容されていた人のからの話によると、震災以後は被収容者をどんどん外に出す方向で入管は動いていたが、最近はその逆になったとのことで、収容される人が増えているそうだ。特に中国人とフィリピン人の被収容者が増加しているという。

わたしの推測だが、震災からしばらく余震も続き、また東京でも大きなのが起きるかもといわれていたので、地震が起きて被収容者を避難させなければならないという状況を考えるとやはり被収容者は少ない方が入管にとっても都合がよいはずだ。

しかし、今、被収容者を増やしているということは、すなわち、状況が落ち着いてきた、もう大きな地震はなさそうだ、という判断が入管の方にあるからかもしれない。

もっとも入管の中で誰か責任がある人がしっかりした根拠をもって公式に判断したと言っているわけではない。わたしでも入管と気象庁の区別はつく。そうではなくて、もうそろそろ日常に復帰してもいいんじゃないかな、という入管の職員ひとりひとりの気分が積もり積もって、なんとなくそうした合意が形成されたのではないかと思う。

そして、入管の職員も当然日本社会の一部であるから、これは日本社会全体の雰囲気でもあるといえる。入管はもちろん気象庁ではないが、入管の動きには社会の気象が関わっている。そして当然のことながら、今新たに収容されている人々の心と肉体もそのような社会的気象現象の一部をなしているのである。