2011/07/23

百薬の長

アルコール問題でいろいろ周囲に迷惑をかけていたビルマ難民が入管収容所から出てきた。彼は日本語が非常に良くできる人で、お酒のせいでその能力を十分に発揮できないのをわたしはかねてから残念に思っていた。

たまたま会ったので話すと、ビルマの民主化について熱く語ってくれた。収容生活のせいで心身ともにボロボロだといっていたが、落ち着いた表情だ。酒臭くもない。

この世には完全な悪などないことを入管が証明してくれた。入管の収容も、アルコールを抜くのに有用なときもあるのだ。

だが、話しているうちに少々雲行きが怪しくなる。同席していた知人が彼にこう言ったときのことだ。

「酒は飲んじゃダメだよ」

彼は堂々と答えた。「ええ、もうお酒はあまり飲みません!」

あまりっ!

こんなこともいっていた。

「お酒は飲まれちゃダメですから」

飲むの前提っ!

だいじょぶか。