2012/05/05

アマゾネス(1)

またまた飲んでいるときの話で恐縮だが、飲み会のとき、あるカレンの男性に薮から棒にこんなことを聞かれた。

「奥さん強い?」

この俺に何をくだらんこと! わたしはせせら笑いながら即答する。「強いです」

「は! じゃあんた、カレン人だ!」

わたしの家庭の事情はともかく、カレン人の女性は強いのは確か。カレン人は日本人とは異なり、男性が家事や料理をするのは珍しくはない(もっとも、ビルマ人もけっこう男性が料理する)。

しかも、KNU(カレン民族同盟)といったカレン人の政治団体やNGOを見てきたわたしの経験からすれば、カレン人は女性のリーダーシップを重視しているといっていい。今のKNUの事務局長は女性だし、タイ国境で働くカレン人NGOでもたくさん女性が活躍している(その代表例がメータオ・クリニックのシンシア医師だ)。

しかし、だからといってカレン社会で男女平等が確立されているというわけではない。いかにKNUの代表のひとりが女性であるとはいえ、その幹部の大部分は男性だ。わたしは戦争のことはわからないが、カレン軍の兵士に女性がいるのは確かとしても、やはり実際の戦場では男性兵士のほうが多いに違いない。