2012/05/22

カチン料理の精髄

カチンのマノー祭りのことを書いたが、いろいろ詳しく知りたくなったので、その専門家に2度ほどインタビューをさせてもらった。

けっこう長いので、まとめるのには時間がかかる。だから、それはいずれというわけだが、それはともかく、聞き取りにお邪魔させてもらった東十条の家で、カチン風の料理をごちそうになった。

牛肉のそぼろの料理、納豆のサラダ(唐辛子入り)や鶏肉とタケノコの煮物などは、わたしにとってはいわばカチンの料理の定番で、何度も食べさせてもらったことがある。

だが、その日はもう一品、はじめて口にする料理が出た。

それは一見普通の野菜サラダだ。トマト、キャベツ、唐辛子、菜っ葉を和えたもの。わたしは何の考えもなく口に運んでいたのだが、その料理を作ってくれた人が、わたしがなにかの菜っ葉だと思っていたものが、ドクダミ草であることを教えてくれた。

つまり、ドクダミのサラダというわけ。

ドクダミというと、お茶か、独身アパートしか知らないわたしは珍しく思い、改めて味わってみると、確かに変わった風味がある。

「これはカチンの料理ですか? それともビルマでは普通なのですか?」

と聞くと、カチンだけだという。

「へえ、それにしても、よくこんなものが手に入りましたね」

すると、裏手にある隅田川で摘んできた、とのこと。

実際、ドクダミ草というのはありふれた植物らしいが、そんな近場で野生のものを摘んで食べることができる、という(本当は当たり前の)ことにちょっとびっくりした。

なお、犬の散歩道あたりに生えてるようなバッチイのではなく、奥のほうから摘んできたから、きれいだって。


ごちそうさまでした。