2012/08/01

秘策

あるカレン人難民が、御年83になる老父を日本に招いた。本当は母と姉も招いたのだが、ビザが降りなかった。

83歳の老人をひとりで日本にやってこさせるなど無理な話だ。このことを知ったある難民が、憤慨してこう言った。「これは外務省の意地悪だ。どうせひとりでこれやしないからと思って、おじいさんにビザをあげたんだ」

もっともわたしは日本政府がそのような個人的な意地悪をするとは思えない。日本政府はそれほど細やかな配慮などできないはずだ。むしろ、ビザの発給にある基準があって、それを杓子定規に適用した結果、つまり、何の配慮もなしに当てはめた結果、このような事態になったというのが、正解ではないか。

そして、そのビザ発給の基準とは、いろいろ話を聞いてみると、おそらく次のようなものらしい。

1)在日ビルマ難民が日本に家族を呼び寄せるケースが増えている。

2)そして、その呼び寄せられた家族が、難民認定申請などをしてそのまま日本に居続けるケースも増えている。

3)こうした事態を避けるために、家族として複数名を日本に招聘する場合には、全員にビザを与えるのではなく、2つのグループに分け、一方だけにビザを出す。そして、ビザを発給されたほうが、最初に日本に入国し、何事もなく帰国したら、もう残りにもビザを出す、ということにする。

上記はあくまでもわたしの推測に過ぎないが、それほど的外れではないと思う。

このように不法滞在を減らす努力をする取り組みみが日本政府にあるのは結構だが、その一方で、難民が自分の望むように家族と再会できるようにするためにもいろいろと知恵を絞ってほしいとも思う。


さて、件のご老人がどうなったかというと、たまたまヤンゴンから日本にやって来る人があって、その人が付き添ってくれたおかげで日本までやってくることができたのであった。