2012/09/04

イエローサブマリン

だいぶ前のこと、ビルマの人とタクシーに乗った時、タクシーの運転手がわたしたちに話しかけて

「ビルマってのは、ミャンマーの隣にあるんでしたっけ」

わたしはこの人が無知であるとは思わない。ただ、人間が自分の興味のないことについてはとんでもない勘違いをしがちであるという実例のひとつに過ぎない。

わたしの場合はそれが車で、5年前に免許を取るまで、車のことなどまったく考えたことがなかった。車に関する定番の誤解のひとつに「セダン」を車の会社だと思い込むものがあるが、わたしなどまさしくそれだった。

6年ほど前、ドイツで難民認定されたビルマ人と牛久の入管に面会に行った。牛久の入管前に何台かの車が止めてあり、それを見た彼が言った。

「あのさ、前から気になってるんだが、どうして車の中には黄色いナンバープレートのものがあるんだ。違いはいったい何なんだ」

わたしは答えた。

「うーん、きっとあれは仕事に使う車だからだよ」

そして彼はそのままドイツに帰っていった。