2013/01/08

言語学の論文

アラビア語チュニス方言のアスペクトを表示する前置詞—その統語的特徴と意味—」という論文を書いた。

ここで扱ったのは、日本語で「〜している」「〜しているところ」「〜している最中」とか、英語で「be動詞+ing形(いわゆる進行形)」にあたる表現だ。こういう表現は、相(アスペクト)という用語を用いて進行相とか継続相とかいわれる。

北アフリカのアラビア語諸方言のひとつの特徴として、英語のinにあたる前置詞fii)が動詞とペアになって継続相を表す(ことがある)というのがある(これは現代標準アラビア語や文語にはない特徴だ)。
おおまかにいうと

動詞未完了形+直接目的語 => 「〜をする」
動詞未完了形+fii+直接目的語 => 「〜をしている」(継続相)

なる

この論文ではチュニス方言におけるそうした表現を統語的(構文的)な側面と意味的な側面からまとめてみた。

世界の言語ではしばしば、この進行継続相に「居る、留まる」という動詞が関わる場合(日本語の「~して居る」)や、「~の中」といった場所に関する要素が関わる場合(日本語の「~している最中」とか「仕事中」の「ちゅう」)が見られが、この論文で扱ったのもそうした現象のひとつだ。
ビルマとは関係ないが、宣伝だ