2013/07/29

難民の帰還に関する ビルマ政府および国際社会に対する要望書

在日ビルマ難民たすけあいの会(BRSA)で次のような声明文を出したので参考までに。

難民の帰還に関するビルマ政府および国際社会に対する要望書

現在のビルマ政府がテインセイン大統領のもと、民主的制度に基づく国づくりを進めていることはおおいに評価できることです。


しかし、長期にわたる軍事政権下において生じた貧困、国民間の断絶、社会の腐敗、教育の荒廃は未だに存続し、新しいビルマの課題として今なお残されています。


そのような課題の1つとして、1988年の民主化運動への軍事政権の迫害によって生まれた難民たちの帰還の問題があります。世界各国に散らばるこれらの難民たちは、それぞれの場所でコミュニティを作りながら、現在のビルマの変化を非常な関心を持って見守っています。


私たち在日ビルマ難民たすけあいの会は日本における政治難民と日本国民とによって設立された団体です。政治的難民である私たちの希望は、いつの日か民主的で安全となったビルマに帰国し、長年離ればなれになっている家族と再会し、新しいビルマのために一生懸命働くことです。


しかし、現在のビルマはいまだ私たちにとって安全な国であるとはいえません。カチン独立機構への戦争、そしてモンユワでの国民への弾圧を見ても分かるように、ビルマ政府は国内の自由と平和の確立のためにすべきことを十分になしていないといえます。このような状況では、日本にいる私たちのみならず、アメリカやヨーロッパ、タイ、インド、シンガポール、マレーシア、あるいは国境の難民キャンプに暮らす難民たちが自分たちの安全を確信して、家族を連れて帰国することは不可能です。


これらの難民たちは、異国での困難な生活の中で、外国語を学び、様々な経験を積んできました。中には、非常に高い教育を受ける機会に恵まれた人もいます。これらの経験豊かな人々が、新しいビルマのために力を尽くすことができないのは、ビルマにとって多大な損失であるといえます。


ゆえに、私たち在日ビルマ難民たすけあいの会は、多くのビルマ難民が安心して帰国できるためにビルマ政府に以下の対策をとるようここに要望いたします。



1)民主化をさらに推進すること。

2)国内の平和を確立すること。特に現在行われているカチン独立機構との戦争を停止すること。


3)帰還する政治的難民の生命の安全を保障すること。


4)政治的難民の帰還手続きを公平なものとし、在外大使館における「税金」の徴収を免除すること。

5)帰還する政治的難民への補償を行うこと。

6)帰還する政治的難民が故郷での新生活を開始できるように支援すること。



また、国際社会に対しては次のように要望いたします。



1)ビルマ政府が民主主義と平和を確立するように常に働きかけること。

2)難民の帰還事業のため、生活支援、職業訓練など必要な支援を行うこと。

2013年5月26日 在日ビルマ難民たすけあいの会