2013/07/09

カチン独立軍(KIA)の病院(1)

ライザとマイジャーヤンの病院のことを書いたから,ついでにカチン独立軍(KIA)の病院にも触れよう。

わたしが2012年6月29日の午後に訪れたKIAの病院は,カチン独立機構(KIO)本部のあるアラン山の中腹にある。ライザはこの山の麓に広がっている。

アラン山のKIO本部入り口の検問所では女性兵士が任務に当たっていた。
(写真は6月28日)

アラン山中腹から臨むライザ

わたしたち(つまり,わたしと日本のカチン人)が行った時,この病院は常になく負傷兵で一杯だった。

というのも,この日の前日,KIAとビルマ軍との間で激しい戦闘が行われたためで,その砲撃の音はライザ市内にも届いていた。わたしはそのときもアラン山にいて,山の向こうから時折聞こえてくる弾ける音を録音しようとじっとしていた。同行したKIOのスタッフが解説するには迫撃砲だという。

戦闘はライザから一番近い村のひとつであるラジャーヤンというところで起きた。戦闘の様子がどのようなものかというと,このラジャーヤンにはビルマ軍が前哨基地を設けていた。この基地に弾薬や食料を補給するためにビルマ軍が100人ほどの部隊を送ったのだが,その隊列をKIAが攻撃したのである。

ビルマ軍側の被害は分からないが,この時,1人のカチン人兵士が死に,少なくとも4名が負傷した。

死亡した20代後半の兵士は,頭を撃たれたようだ。彼は29日の朝にこの病院に運び込まれるまでは息があった。