2013/11/27

合意の必要

ヤンゴンのシャン料理のレストランで,カレン人の友人たちと飲んだ。

わたしが行った時にはすでにもうはじまっていて,みんなウィスキーを飲んでいる。

シャンの酒をやらないか,と勧めるので飲むと,中国の強い酒みたいなやつだ。一杯だけ飲んでウィスキーにする。

つまみはシャンの牛のモツの煮込み。これは高田馬場のノングインレイでも食べることができる。

わたしたちは飲みながら,カレンの政治の話をした。現在,カレン民族同盟とビルマ政府は停戦交渉を行っている。

「まあ,どうなるか分からないね」と1人がいう。「いまのところ双方ともどんな合意にも達していないのだから。こっちはせいぜい様子見だな」

「様子見,"Wait and see."」 というのは今回のビルマ滞在中によく聞いた言葉のひとつだ。停戦がうまく行くか,スーチーさんが大統領になるか,2015年に何が起きるか,ひとつ様子見だ……。

これを「庶民のしたたかさ」などと持ち上げる人もいるかもしれないが,そんなものではない。様子見人生なんてひどくつまらないもんだ。本気で生きることができない……。

やがて,彼の携帯電話が鳴った。取り上げて何か話している。

電話を切ると,彼は言った。「女房が言ってきたんだ,もう十時過ぎだから帰ってこいってさ,で,俺は言ってやったよ,俺たちの間にはそんな合意は結ばれておらん!とね」