2014/11/20

ラパイ・センローさん

カチン人女性、ラパイ・センロー(Lahpai Seng Raw)さんはMetta Foundationというビルマ国内ではもっとも大きいといわれるNGOの所長を務めた人で、長年この団体を通じて行ってきた紛争地域や被災地への支援活動や復興活動が評価され、2013年にアジアのノーベル賞と呼ばれるマグサイサイ賞を受賞した。

そのセンローさんが来日し、11月16日の夜、在日カチン人たちと対話集会を行った(高田馬場のリサイクルセンター)。

わたしもどうぞといわれたので行ったが、基本的にカチン語の集会なので内容はよく分からない。カチン民族難民への支援活動、2008年憲法のこと、ビルマの現状、来年の選挙についてなどの話があったようだ。

隣にいたカンダ・アウンリーさんが所々教えてくれたことによると、 次のような言葉があったとのこと。

「来年の選挙でアウンサンスーチーさんが大統領になれるかどうかばかりに関心が向けられているが、公正な選挙が実施されるか、そのように政府が変われるかどうかも重要だ」

「軍事政権の時代は、非ビルマ民族ばかりでなくビルマ民族も貧しかったが、今の政府では、中央の一部のビルマ民族が豊かになる一方、周辺の非ビルマ民族は貧しいまま取り残されている。現在の和平交渉がうまくいかなければ、この貧富の格差は100年200年と続くだろう」

後半の質疑応答の時間にアウンリーさんが通訳してくれるというので次のような質問をした。

「ビルマの若い人に対する教育を支援する場合に何が必要か。そして、教育支援の内容は民族ごとに異なるのか、異なるとしたらそれはどのような点においてか」

これについてのセンローさんの意見は、教育支援として重要なのはまず、教師の給料を支援すること、それから、教師がレベルアップできるような機会を提供すること、さらに教師が自分の担当する地域の民族の言語に通じていることが大事だというものだった。

要するに、いい先生がたくさんいて、自分の担当する子どもたちの状況をよく理解し、経済的な心配なく働くことができれば、教育の問題や民族ごとの問題などは解決できるというもので、非常に理にかなった見解だと思った。

センローさんの今回の来日は、カチン難民の状況を日本政府に訴えるという目的で日本側が準備したということで、この翌日には議員会館で講演が行われ、国会議員の出席もあったようだ。

逆上力でおなじみの安倍さんの解散宣言の後じゃなくってよかった。