2014/12/02

チェンマイ空港

ダニエル・クロウズの漫画に出てきそうな味のあるおっさんがレセプションで寝ずの番を務めるバンコクのホテルで一夜を明かし、12月1日、ドンムアン空港からチェンマイに飛ぶ。航空券がとても安い。12時過ぎに着く。

ピーターさんが送ってきたメッセージによると、彼はこの日の1時か2時ごろにチェンマイ空港に降り立つという。

わたしはこの心もとない情報を頼りにチェンマイ空港の到着出口で待ち続ける。バンコクから何便もやって来るが、ピーターさんは姿を現さない。

ピーターさんがすぐに気がつくように、わたしはカチンのシンボルの描かれたTシャツをスーツケースの上にかける。もしかしたら、迎えに来たカチン人が気がつくかもしれない。

救援信号だ。

いい歳をしてばかばかしいが、ここでピーターさんと合流できるかいなかが、今回の旅のすべてを左右する。

3時になった。

ピーターさんはチェンマイの友人の電話番号も教えてくれていた。公衆電話からそこに電話をかけると、男が出て4時半に到着すると教えてくれる。初めからかけときゃよかった。

で、待ち続ける。16:20にバンコクから到着する便があるからそれだろう。

そして、バンコクからの便が来るといつもそうだが、出口の辺りが騒がしくなる。ホテルや旅行会社の人々が名前の書かれた紙を片手にゲストを待ち受けている。

わたしは入り口を注視してピーターさんを捕まえようとする。旅人たちが次々と出てくる。違う、違う、似てるが違う……。

気がつくとピーターさんがにこやかに目の前に立っていた。

探すことに夢中になりすぎて、相手に先に見つけられるとは。

チェンマイ空港