2016/01/26

「我らが勝利の日:チン民族と全土停戦合意(NCA)」(1)

1. チン民族の政治運動
1.1. チン民族とチン民族戦線
ビルマ西部のチン州、北東インド(ミゾラム州など)を中心に居住する民族グループ。多様な民族集団に分かれ、同系の言語を話すものの「村が違えば通じない」と言われるほど異なっている。キリスト教徒がほとんどだが、仏教徒もいる。

チン民族は1947年2月にビルマ民族、カチン民族、シャン民族などとともにピンロン協定に署名し、ビルマ連邦の一部としてイギリス領からの独立を果たした。しかし、ビルマ連邦政府においては、ピンロン協定で保障されたチン民族としての自己決定権は否定され、実質的には中央ビルマ政府の「植民地」となり、チン民族は他の非ビルマ民族と同じく、ビルマ政府、そしてその後の軍事政権からのさまざまな差別や迫害に苦しむこととなった。チン州内においては駐留するビルマ軍による人権侵害や女性に対する性暴力などが報告されている。

チン州はカチン州などに比べて資源に乏しく、非常に貧しい。また、長年にわたって政府からないがしろにされてきたため、教育やインフラの点でもっとも開発が進んでいない州とみなされている。

式典の会場