2016/01/29

「我らが勝利の日:チン民族と全土停戦合意(NCA)」(4)

2. 全土停戦合意に至るまで
2.1. 停戦交渉の過程

ビルマ政府の非ビルマ民族に対する抑圧的政策、迫害は、チン民族のみならず多くの非ビルマ民族の反発と不信を生み、1949年のカレン民族による武装蜂起以降、多くの非ビルマ民族がビルマ政府・軍に対する「防衛戦争」に突入していった。停戦の試みは幾度かなされたが、相互不信により実現せず、実現した場合でも非ビルマ民族全体ではなく単独の民族との協定であること、そしてビルマ政府が協定を不履行・破棄した結果、永続的なものでも、また全国的なものでもなかった。

しかし、2011年3月に成立したテインセイン大統領政府は、ビルマ国内の平和を課題の一つとして掲げ、各民族政治組織・軍事組織との停戦交渉を進めることになった。ただしシャン州北部とカチン州では戦争が続いている。

CNFは2011年11月にビルマ政府との交渉を開始。2012年にかけて2度の交渉が行われ、停戦合意の前段階となる合意が結ばれた。一方、交戦中の非ビルマ民族政治組織からなる全土停戦コーディネーション・チーム(NCCT)とビルマ政府による包括的な交渉も2013年以降、たびたび行われてきた。