2016/02/29

「我らが勝利の日:チン民族と全土停戦合意(NCA)」(22)

そして、そのような自己認識こそ、カレン人とそのほかの諸民族が国際社会への粘り強い働きかけを通じて長い時間をかけてビルマ政府に植え付けてきたものなのであり、これは非ビルマ民族政治運動のひとつの成果といえる。

ゆえに、今回の停戦合意を軽率であるとか、民族を損なうものであるとか、あるいはこれまでの政治運動を裏切るものと単純に見ることはできない。それは同時に、非ビルマ民族の政治運動(これを連邦主義運動と読んでもいいだろうが)の流れに正当に位置づけることもできるのである。

また、今回のKNUの合意に関して、これが普通のカレン人の意志にまったく反したものと見ることも難しい。というのも、KNUの決定は、国内のカレン人社会、特に宗教関係者、市民団体の後押しと協力を背景に為されたものでもあるから。つまりKNUの独断とは言いきれないのである。

わたしがヤンゴンからネーピードーに移動するさいに乗ったバスには、チンの市民代表団ばかりではなく、カレン人の代表団も同乗した。